カツヲぶろぐ

2011年8月の読書

『ハプスブルク家』
江村 洋 (著)
『ハプスブルク家』読了。かつてヨーロッパで巧みな婚姻戦略により一世を風靡したハプスブルク家のお話。読んでて外人の名前覚えるの苦手だと再認識。

『ふしぎなキリスト教』 ★★★★
橋爪 大三郎 (著), 大澤 真幸 (著)
『ふしぎなキリスト教』読了。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、みんな一神教だけど全部同じ神だったのね。比べながらキリスト教の特徴をあぶり出していく感じで。読みやすい語り口ながらかなり勉強になりました。

『今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈1〉』
『今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈2〉』
Richard A. Muller (原著), 二階堂 行彦 (翻訳)
『今この世界を生きているあなたのためのサイエンス〈1〉』読了。科学の知識がざっくり解説されててわかりやすい。アメリカの本らしくテロリズムから話が始まって、エネルギー問題、原子力へと。核融合炉の種類の説明とか面白かった。
続編の『今この世界を・・・〈2〉』 読了。温暖化の話よりも、宇宙開発は人を宇宙に出す必要ないのに世間にインパクト与えないと予算獲得できないから有人でやってる、って話が印象的。科学も人間がやってることだから政治から逃れられないんだな。

『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション―人生・仕事・世界を変える7つの法則』
カーマイン・ガロ (著), 外村 仁 解説 (その他), 井口 耕二 (翻訳)
『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』読了。読んだらイノベーションが起こせるかはわからないけどやる気が出るというのは言える。結局仕組みじゃなくて人次第だという認識を新たに。頑張ろ。

『ペンブックス4 神社とは何か? お寺とは何か?』
『神社とは何か? お寺とは何か?』読了。雑誌Penの特集をまとめた本で、お寺とか行きたくなった。こっちにいるうちは教会とか見ておくべきかな?でもどこもだいたい構造同じなんだよね・・・。

『下町酒場巡礼』
『下町酒場巡礼 もう一杯』
大川 渉 (著), 宮前 栄 (著), 平岡 海人 (著)
『下町酒場巡礼』 読了。酒飲みたくなる。美味いつまみが欲しくなる。
で続編の『下町酒場巡礼 もう一杯』 読了。だから酒が飲みたくなるー。
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# by katzwo | 2011-09-03 02:14 | リーマン読書感想文

2011年7月の読書

7月は9冊という結果でした。休暇とかあった割に大して読めてないなー。

『マイルス・デイビス自叙伝〈1〉』
『マイルス・デイビス自叙伝〈2〉』
Miles Davis (原著), Quincy Troup (原著), 中山 康樹 (翻訳)
2週間のフェス休暇中、せっかくだから音楽関係の本をということで、『マイルス・デイビス自叙伝〈1〉』『同〈2〉』読了。言わずと知れたジャズの帝王の自叙伝。絵に描いたような「セックス、ドラッグ、ロックンロール」な人生を赤裸々に語るマイルス。チャーリー・パーカーからプリンスに至るまで、有名なミュージシャンの名前もたくさん出て来てジャズ史の勉強にもなりますな。
まあでも音楽の歴史を何回も塗り変えた偉大な帝王スゲーというより、マイルスモテすぎスゲーっていう感想のほうが強いですが。

『コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史』
小林 章夫 (著)
 『コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史』読了。ロンドン滞在中にコーヒー飲みながら読むのにピッタリ?というわけで休暇に持参、久々に読んでみたけど、知ってる地名が出てくるのが楽しかったりする。当時の政治経済、ジャーナリズム、文化との関わりだとか、個々のエピソードでけっこう面白いものがあるんだけど、一冊の本としてはなんともまとまりの無い印象も。もっと流れるように読んでいけるような構成だったらいいのになと。

『ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』 ★★★★★
Chris Anderson (原著), 篠森 ゆりこ (翻訳)
『ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』もはや古典という感じで今頃になってですが読了。しかしいまだに新鮮に読むことができるのはさすが。「ロングテール」というのは本書の著者クリス・アンダーソンが提唱した概念で、要するにこういう意味なんだけど、これを説明するための丹念な取材、様々な事例やデータ、それらに基づく鋭い洞察が見所。
ヒット一辺倒に頼ったビジネスから、インターネットみたいなテクノロジーの進化によって、ニッチに光があたるようになった、というのは個人的には嬉しいことなんだけど、それでうまく回るようにお金の回る仕組みが追いついてない。著者の最新作『フリー』を読んでも思ったことだけど、需要者側の変化は否応なしに起きていくのに、供給者側の変化がそのスピードについていけない、というのが現状かなと。あとは『フリー』もそうだったけど音楽の話が色々出てくるのも僕にとっては親しみやすい要因か。というわけで★★★★★。


『世界史をつくった海賊』
 ★★★★★
竹田 いさみ (著)
『世界史をつくった海賊』読了。かなり興味を引かれるタイトルで一気に読了。16世紀には弱小国だったイギリスが後に大英帝国として世界に君臨するスタート地点にいたエリザベス女王と海賊たちの物語。
先行する大国スペインやポルトガルに追いつくために、他国の商用船を襲わせることで海賊を「集金マシーン」として活用し、スペイン無敵艦隊との戦いでは海軍に組み入れて「戦争マシーン」として使う、という具合でエリザベス女王こわーって感じ。悪名高い黒人奴隷貿易も、最初はアフリカ大陸での黒人奴隷をどう手に入れればよいかわからなかったので、海上でポルトガル船を待ちうけて襲って奪って、それを南米に運んでた、要するに密輸してたとか、そんな話が色々。
あとはイギリスといえば紅茶が有名だけど、もともとはコーヒーハウスが象徴するように、コーヒーのほうが一般的だったのが、なぜ紅茶にシフトしたのか。それは海賊が手がける貿易商品として儲かる商品が香辛料→コーヒー→紅茶とシフトしていったから。などなど。イギリス近代史の負の一面というか、そもそも大英帝国の成立過程なんて負の側面みたいな話ばっかりだけど、イギリスに住んでるとますます興味深く読めてくる。というわけで★★★★★。

『最強国の条件』 ★★★★
エイミー・チュア (著), 徳川 家広 (翻訳)
『最強国の条件』読了。ローマ帝国やイギリス、アメリカなど、世界市場に存在した「最強国」を「寛容さ」という観点から検証している本でなかなか面白かった。「最強国」として取り上げられているのは、アケメネス朝ペルシャ、ローマ帝国、中国の唐王朝、モンゴル帝国、海洋覇権を握ったオランダ、大英帝国、そしてアメリカ。
この本に取り上げている中だとローマ帝国や大英帝国についてはある程度知識があって勿論面白く読めたけど、一番興味深かったのはオランダについて。小国がいかに海の覇権を握り、世界のトップになったか、のお話は実に面白い。
日本は非寛容の例として登場、台湾だけ唯一の例外、という評価。なるほどねえ。あと翻訳したのは徳川家康の末裔の方らしく、へえーという感じ。最強国以外にもオスマン帝国やナチスドイツなども比較対象として取り上げられていて、世界史の流れ全般の知識も整理できたり。というわけで★★★★。

『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』
佐々木 俊尚 (著)
『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』 読了。佐々木俊尚 @sasakitoshinao 氏。キュレーションは情報の目利きと言えばわかりやすいかな。そういうのの重要性が増してるのはDJやってた実感からも納得。ソーシャルメディアマーケティングとかを考える人はまずこのあたりの情報流通の文脈は押えておくべきかという感じかな?具体的な事例が音楽や芸術に絡めてあるのでそれぞれ面白く読めました。

『ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」』 ★★★★
坂根 正弘 (著)
ロンドン→成田の飛行機の中で2時間ほどで『ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」』読了。建設機械メーカーのコマツ会長の著書。前にテレビで紹介されているのを見て面白いと思っていた、建機にGPSを組み込んで稼働状況をメーカー側で把握できるKOMTRAXの話も当然出てくる。その他には中国での代理店網を広げるときの話などが面白かった。メーカー叩き上げの実直な経営者らしく、文章も読みやすく、内容もわかりやすい。というわけで★★★★。

『戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』
ロバート・S・キャプラン (著), デビッド・P・ノートン (著), 櫻井 通晴 (翻訳), 伊藤 和憲 (翻訳), 長谷川 惠一 (翻訳)
『戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』読了。5年以上積ん読状態だったクソ分厚い本。イギリスから日本への長旅のお伴でようやく読了。戦略マップという経営フレームワークの実例満載、だけど、個々の要素の因果関係が綺麗に矢印で結ばれているマップはあまりなく、ちょっとがっかり。ではあったけど、顧客の視点、内部プロセスの視点、学習と成長の視点についてさらに分解したフレームワークと指標の例が色々と出て来ていたので、今後の仕事の参考としてはけっこう役に立ちそう。
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# by katzwo | 2011-08-22 03:21 | リーマン読書感想文

2011年6月の読書

6月は11冊読了。まあまあのペースです。文庫中心ってのもあるけど・・・。

『ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉』 ★★★★★
『ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉』 ★★★★★
塩野 七生 (著)
『ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉』『同〈下〉』 読了。今回は特別編という感じでローマ帝国のインフラストラクチャーについての解説。
ハードなインフラとしてローマ街道や橋、水道について、ソフトなインフラとして教育や医療についてのそれぞれのあり方とその背景にあるローマ人の精神とを解説していくわけだが、教科書的になるのでもなく、変な感情移入を誘うわけでもなく、実に面白く読ませてくれる文章。
カラーの写真も色々載っていてUKにいるうちにいくつか見に行きたいものだと妄想。マンチェスター近郊にもローマ街道跡があるみたい。というわけで★★★★★。

『管仲〈上〉』 ★★★★
『管仲〈下〉』 ★★★★
宮城谷 昌光 (著)
 『管仲〈上〉』読了。諸葛孔明が憧れた、中国史上最高の宰相と言われる管仲の若き日の物語。というか、史書に管仲が登場するのは仕官してからだから、上巻はほぼ作家の空想の世界。
 「管鮑の交わり」として有名な鮑叔との出会いと友情の描写は、史料が無い分、自由で生き生きとしているのと、登場する女性がなんとも魅力的。苦難の末に斉の公子の教育役になるあたりで上巻は終わり。
 続いて『管仲〈下〉』読了。有名な「運命の矢」のシーンは、読んでて「あぁこれか!」と声を出してしまった。たしか中学生くらいの時に図書室で借りた本でこの場面あったなと。
 どんな名場面かはwikipediaの真ん中あたりを参照。このシーンに至るまでの流れの描写のスピード感、緊迫感は下巻のハイライトのひとつ。で、この後の斉の名宰相になってからの話はけっこうあっさり。
 個人的には宰相になってからの政策の話をもっと読んでみたかったけど、上下巻通してのバランスや流れの美しさを考えると、このくらいのあっさりさが良いのかも。上巻と下巻の話の色合いやスピード感のコントラストも面白さのひとつ。
 「管鮑の交わり」の描写と特に女性の登場人物の魅力的さが際立つ小説でした。というわけで★★★★。

『もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら タケコプターで読み解く経済入門』 ★★★★
藤野英人 (著)
 『もしドラえもんの「ひみつ道具」が実現したら タケコプターで読み解く経済入門』 読了。いまだにバカ売れしてる『もしドラ』よりもこっちの『もしドラ』のほうがおススメ。
 この著者の本を読むのは『商売の日本史』に続いて2冊目だけど、今回も面白かった。ドラえもんのひみつ道具がもしも実現したら、経済に、社会に、どんな影響があるのか、どこの株価が上がるのか、とマジメに妄想する内容。
 例えば翻訳こんにゃくが実現したら、日本人の海外アレルギーが軽減されてどんどん海外で活躍できる?日本語の壁が無くなるから日本人の職はどんどんアジアの人々に奪われる?日本人の女の子はますます外人にモテて草食男児なんて言ってられなくなる?みたいな。
 これ読んで予習してもらってから、別の道具をピックアップして同じレベルでチームで妄想してプレゼンし合う、みたいな「構想力研修」みたいなのやったら面白いかも。論理的に考える、戦略的に考える、そういう癖が楽しく見につきそう。日本にいたら部内研修として企画するなぁ。
 そんなわけで楽しんで経済の勉強になる、考える力のトレーニングになる、そんな本でした。というわけで★★★★。

『指揮者の仕事術』
伊東 乾 (著)
 『指揮者の仕事術』読了。久々に音楽関連本。しかも滅多に聴かないクラシック音楽の指揮者がどんなことをしているか、丁寧かつわかりやすく解説してくれている読み物。
 楽曲から奏法までの知識と洞察力、想像力、そして指揮棒を正確に振り続けるための筋肉、なんだか指揮者も大変そう。ベートーベンの第九の歌詞の読み解きとワーグナーの専用劇場のあたりの話が特に面白かったです。
 たまにはオペラもいいかもなーって、一回もちゃんと聴いたことないですが、コンサートホールに行きたくなりました。

『すべては戦略からはじまる―会社をよくする戦略思考のフレームワーク』
西口 貴憲 (著)
 『すべては戦略からはじまる―会社をよくする戦略思考のフレームワーク』読了。人間は忘れる生き物なので、時々こういうのを復習用に読むんだけど、これはまさにそういう目的にピッタリでした。
 ゲーム会社の建て直しが舞台の小説仕立てで経営戦略やマーケティングのフレームワークを学べる。最後の終わり方がご都合主義というかアレな感じでしたが、入門用・復習用におススメ。

『ローマ人の物語〈29〉終わりの始まり〈上〉』 ★★★★★
『ローマ人の物語〈30〉終わりの始まり〈中〉』 ★★★★★
『ローマ人の物語〈31〉終わりの始まり〈下〉』 ★★★★★
塩野 七生 (著)
 イタリア出張中に『ローマ人の物語〈29〉終わりの始まり〈上〉』『同〈30〉〈中〉』『同〈31〉〈下〉』 読了ー。
 この巻では五賢帝の最後の皇帝マルクス・アウレリアス帝から内乱の時代まで。帝国の衰退はこの人とその前の皇帝アントニヌス・ピウスの頃に始まったと考える著者。「ハドリアヌスが偉大だったのは帝国の再構築が不可欠だと誰もが考えなかった時期にそれを行ったことだ」という言葉が象徴している。
 前線の現場感覚を忘れ、内向きになった途端、組織の衰退は始まるみたいな、実に考えさせられる巻。というわけで★★★★★。

『私たちはこうして「原発大国」を選んだ - 増補版「核」論』
武田 徹 (著)
 『私たちはこうして「原発大国」を選んだ - 増補版「核」論』読了。これはかなり読み応えあり。終戦直後から2002年、そして311に至る原子力技術を巡る論点を各論として紹介し、考察を加えていく構成。
 原発の問題は僕にとっては純粋に科学と経済の問題なのだが、今のところ結局は「スイシン」「ハンタイ」の二元論、イデオロギー対立に落ち着いてしまっているような感じで、なぜなんだろうと考えてさせられるわけだけど。
 「私たちは『スイシン』『「ハンタイ』のような二つの立場を超えて、両者を調停し、リスクを最小化し、利益を最大化する均衡点を見いだしてゆく理性と、他者に配慮する力を持っていると私は信じています」と著者は言うが、皮肉にもこの本を読んで、なぜ二元論に行き着くのかが少しわかった気がする。
 終戦直後から2000年代に至る戦後史・社会史の勉強にもなるし、今読んでおいて損は無い一冊では。
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# by katzwo | 2011-07-18 17:56 | リーマン読書感想文

2011年5月の読書

『アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業』
グレン・アーバン (著), スカイライトコンサルティング (監修), 山岡 隆志 (翻訳)
 『アドボカシー・マーケティング 顧客主導の時代に信頼される企業』読了。古本屋で数年前に買って積ん読状態でしたがけっこうサクサク読めました。
 従来のマーケティング理論「P(プッシュ・プル)理論」に代わるコンセプトとして「A(アドボカシー)理論」を紹介。この二項対立な示し方は理解しやすい。文章がシンプルなのと図表がわかりやすいので読みやすいのかな。
 アドボカシーというのは顧客を支援する、というような意味合いで、10年前くらいに読んだCS経営の本に書いてあることと似たようなコンセプトだった。原書がアメリカで出たのは2005年くらい?今となっては特に目新しい内容でもないが。
原書のタイトルが『Don't Just Relate - ADVOCATE』だから、たぶん2000年代前半とかにCRMを導入する大企業が増えて、その流れに対してさらに進んでアドボカシーを、というような文脈なんだろうな。
 しかし自動車業界でアドボカシーがもっとも進んだ企業がGMとか出てくるのが実に皮肉。でもP理論で止まってる方は読んでもいいかも知れません。このシリーズは表紙もまあまあかっこいいし。

『ローマ人の物語〈24〉賢帝の世紀〈上〉』 ★★★★★
『ローマ人の物語〈25〉賢帝の世紀〈中〉』 ★★★★★
『ローマ人の物語〈26〉賢帝の世紀〈下〉』 ★★★★★
塩野 七生 (著)
 『ローマ人の物語〈24〉賢帝の世紀〈上〉』読了。五賢帝の二人目、「至高の皇帝」と呼ばれたトライアヌス帝のお話。この皇帝の時期にローマ帝国の版図は最大に。白眉を挙げればトライアヌス円柱に描かれた絵解きを通じて進んでいくダキア戦役の話あたり。
 続けて『ローマ人の物語〈25〉賢帝の世紀〈中〉』と『ローマ人の物語〈26〉賢帝の世紀〈下〉』も 読了。トライアヌス帝の跡を継いだハドリアヌス帝とその後のアントニヌス・ピウス帝の治世のお話。
 『賢帝の世紀』を通じての感想としては、とにかくこの皇帝達、次の代の皇帝のハドリアヌス帝もそうだけど、とんでもない仕事量。実際ハドリアヌス帝なんかは「これ過労死なんじゃないの?」と思ってしまう最期を迎えてしまうわけで。
 あと優れた皇帝の時代のほうが歴史家が筆を取るモチベーションが低くなるため資料は少なくなるものらしく、また当時の著作物や考古学的な史料もキリスト教の時代に相当失われているようで、実に惜しいことですなあ。そんな中でこれだけ生き生きと記述していく著者の仕事にはいつもながら脱帽もの。
 カエサルやアウグストゥスの時代を帝政ローマの創業期とすれば、このあたりは中興の祖といったところか。毎度ながら安全保障やインフラについての考え方は勉強になるし、リーダー論としての秀逸さは言わずもがな。特にこの巻では時代の要請と本人の性格がマッチした運の話もありなるほどなと。
 あと特筆すべきこととしては帝国のユダヤとの関わり方。ハドリアヌス帝のときの反乱の鎮圧で、ついにユダヤ人のディスアポラ(離散)に至る。これは現代史につながる大きな出来事ですが。なかなか考えさせられる。しかしもう残り1/3だからあと少ししたら衰退期に入ると思うと寂しくなってくるな。
 というわけで『ローマ人の物語』を通しての評価ですが★★★★★。

『ガンダムに学ぶ経営学―宇宙世紀のマネジメント・ケーススタディ』
山口 亨 (著)
 『ガンダムに学ぶ経営学―宇宙世紀のマネジメント・ケーススタディ』読了。若い中小企業診断士の方が書かれた本で、経営の教科書としては物足りないものがありましたが、ガンダムの勉強の復習になって面白かったです。
 経営学の基本的なフレームワークをガンダムのエピソードに絡めて無理矢理説明していくというスタイルで、ガンダム好きの新入社員を教育するときにはいいかも。ほぼ一年戦争の話なので最近の若い人はあまり知らないかな。

『グリーン革命(上)』 ★★★★
『グリーン革命(下)』 ★★★★
トーマス・フリードマン (著), 伏見 威蕃 (翻訳)
 『グリーン革命』上下読了。買ってから一年以上積ん読状態でした。既に増補改訂版が出てるし、あのタイミングで買う必要は無かったなあと思いつつ。
 ちょうど日本でエネルギー政策の議論が盛り上がるタイミングに読み進めることになり思うところ多し。いくつか印象に残った言葉を。
「成長と言う機械をだれにもとめられない」「そんなことをするのは政治的自殺だし、自殺を望むような政治家はいない。つまり、一人で自殺するのはみんな嫌だから、集団自殺ということになるでしょうね」
「石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない」サウジアラビアの石油相
「アメリカにはエネルギー政策がなく、エネルギー政治があるだけだ」
 原題は『Hot, Flat, and Crowded』ということで、前作『フラット化する世界』の続編という形で話がスタート。
 上巻は現在のエネルギーや環境に関しての状況がいかに危機的か、という話が中心。エネルギー問題、石油独裁国家、気候変動、生物多様性、あたりが主な論点。やばいんだろうなあ、と思ってて、やっぱりやばかった、という話。
 中学生か高校生くらいの時、「今自転車に乗ってる中国の人々が皆自動車に乗るようになったらあっと言う間に石油は枯渇して大気は汚染されて・・・」みたいに考えていたことがどんどん現実になってて、加速していっているわけ。
 下巻はそれに対して、いくつかの解決策のアイデアと実際にある動きの紹介、みたいな感じ。で、グリーン関連産業を振興して世界中に売りまくれば地球にも良いし、アメリカも世界のリーダーで居続けられる、という具合のストーリー展開。
 著者の主張は政策的にそこに資源を集中していけばイノベーションが進んで解決できるはず、ただし着手が遅れれば遅れるほど問題の難易度は上がっていく、というような感じかな。イノベーションの可能性を信じていると言う意味ではけっこう楽観的かも?
最近のニュースを見るにつれ、エネルギーという軸で世界を眺めてみると色んな物事のつながりが見えてきて面白いわけですが、この本もその文脈で面白い本でした。というわけで★★★★。
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# by katzwo | 2011-06-13 19:43 | リーマン読書感想文

最近の関心事(2011年5月23日~29日)

ビジネス、テクノロジー

変換効率1/10でコストが1/100かー日本だと設置面積がネックだけど地域によっては使えるかも。→ 低コストで太陽電池 金沢工大教授が開発

「それらの曲に関してはとっくにiTunesにお金を払ってあるのに、それをオンラインで聞くためにまた払うわけ?」→ AppleのiCloudはあほらしい–あんなのiTunesの無料機能であるべき

企業のリスクマネジメントも気が抜けない。あとこの記事のURLオシャレですね。→ アディダス事件は若者がバカになったのではなく、バカにもITが行き渡るようになっただけ

本の形状が昔みたいに巻物に戻るのかと思うと・・・なかなか楽しいな!ニンニン。→ これが印刷の未来だ: Polymer Visionが巻き物型スクリーンを発表

「3人の友人にあなたが本人であることを認証してもらってください」っていう仕様が悪用されると。こわー。→ ほいほいとFacebookのフレンド申請に応じているとアカウントをのっとられてしまうかもしれない

なんか考えさせられる話だなー。→ ディーエヌエ、南場智子社長「夫の看病で社長退任を決断」

これから血みどろの戦いが?→ 米アマゾン、レディー・ガガでアップルに宣戦布告

「LISMO unlimited」「100万曲が聴き放題」「月額の情報料は1480円」やっぱり旧譜中心になるのかな?→ レコード会社の新たな収益源に育つか?――聴き放題サービスがもたらす音楽ビジネスへの影響

音響照明ビールサーバーつきって、ごついバッテリーでも積んでるのかな?→ パーティーができる14人乗り自転車

いくらくらいこの分野のM&Aに使ってるんだろ?→ HP、プリント管理サービス企業のPrintelligentを買収へ

やったことないけど、日本で普及するかな?人の顔と名前を憶えやすくはなるよね。→ LinkedInが年内に日本語版を公開へ、デジタルガレージが国内進出支援

打ち上げ時はロケットの先端に取り付けるのかな?→ 火星へはこの宇宙船で NASA、シャトルの後継発表

新興国→先進国という順番で海外攻略か。『ネクスト・マーケット』 http://bit.ly/jEOfOL は良い本だったなぁ。→ ヤクルトは、なぜ新興国市場で強いのか ミルミル伸びるBOP戦略の秘訣

専用の紙に書くということは、昔見せてもらったFly Fusionに似てるな。→ デジタルペンLivescribeがEvernoteやGoogle Docsに対応


音楽

マンチェスターで巨大フェス?市役所から公園の使用許可が下りたっぽいですな。→ Heaton Park to host three-day music festivals as concert plans get go-ahead
なぜマンチェスター市が近隣住民の反対を退けて公園の使用とアルコールの販売を許可するかってそりゃ金のためですよ。でヘッドライナーは金のために再結成するStone Rosesかなやっぱり。
今同僚から教えてもらったところによるとHeaton Parkのサイズはマンチェスターcity centreがほぼすっぽり収まるくらいみたい。わざわざGoogle mapで重ねて画像を送って来やがったw

一人で5500枚とか言ってたのこれかー。海外で真似するグループとか出て来てないのかな?→ アイドル史上初!AKB、2日でミリオン

「イアンが金が必要になってクビを縦に振るとき=再結成が実現するときだったわけさ」→ ストーン・ローゼズは金のためなら再結成する

「キース・リチャーズは最近出版した自伝の中で、ジャガーのソロ活動はバンド全体と各メンバーにとって大迷惑だと述べている」www→ Mick Jaggerが前代未聞のスーパーグループ結成!


震災・原発関連


ドイツは結果的にはもともと反対派が多数派の国で運転延長した政治判断のほうが特殊だったということなのかな?→ 「脱原発は10年以内に可能」ドイツ政府諮問委が報告書

2012年7月前後に何が起きるか興味深い。→ 原発事故の先にある剣呑な国際政治の力学

「全く白紙で、ただし、表向きは白紙ではないという形で総理の面目を保ちながら、新しい対応策が発表されるのではないか」→ 改革派官僚に聞く 「東電解体」は「経済民主化」の始まり

イデオロギー的にイレギュラーな意見が。面白いな。→ 「脱原発こそ国家永続の道」について

政治的なアプローチを見ると恐らくわかっててやってるんだろうけど、時間が経った時に梯子外されないか心配。→ 孫氏の自然エネルギー構想はいばらの道

設置費用240万円ってうちの実家のボロ屋根だと柱含めて補強が要るかもなんだけど、そういう費用は入ってるのかな?どっちにしてもイノベーションで設置費用とランニングコストが時系列でどうなるか興味深いな。→ 太陽光発電という「課税」

この場合のNTTドコモはやっぱり将来世代のクレジットカードなのかなぁ?→ ソフトバンク、自然エネルギー0円プラン発表

ロシアのマヤークの核燃料再処理施設の写真いろいろ。この後この貨物列車はいずこへ?→ Cemetry For the Fukushima Nuclear Wastes?

ロシアも中国もやることのスケールが違う。→ ロシアもイギリスも垂れ流し、中国はチベットに「現代のババ抜き」核廃棄物はどこへ捨てる?

「内閣総理大臣だから自分の思いを発言するのはかまわないと思う」って普通ウラとれてない場合は逆じゃないか?→ 太陽光パネル公約、経産相「聞いてない」 会見で沈黙も

これは読み応えがある。→ 小沢一郎・民主党元代表インタビュー:一問一答

参入まで思ったより早かったなー。政治問題だと早々と割り切ったのが成功要因?→ ソフトバンク、発電事業を定款に追加へ 6月の株主総会に提案

真相は藪の中というか誰も自説を変えなくていいという結論。→ 山本太郎の「原発でドラマ降板」 事務所は「事実ではない」

子供手当の約1/3の金額か。→ 太陽光パネル1000万戸は、年額1兆6000億円の財政負担を生み出す

「平均約200万円の設置費用は自己負担とする」稼働率10%としてどれくらいで元取れるかパネルの性能にもよるな。→ 橋下知事、新築住宅に太陽光パネル義務化検討

こういうことがあって誰が一番傷つくのか考え始めると・・・。→ Googleリアルタイム検索で調べる拡散の発生源 ─山本太郎降板問題編
山本太郎が干されたドラマを巡ってのtogetterの件、TBSの人が嘘をついていることにすればロジックとしては拡散してた人にとっての当初のストーリーは守れるわけだけど、結局アカウントごと消滅か。
プロのツイッター喧嘩師ばりに「当事者だから信用できない」というロジックで切り返す大技で第2ラウンドへ、という展開も理屈としては可能だったはずだが。やっても誰も幸せにならないけど、だったら最初からねぇ・・・。
結局前提の置き方でどういう風にも考えられる。とりあえず事務所辞めた経緯にこの件が影響してないことを祈ります。

日本で同じテストやったらどうなるかな。→ 原発の安全性、人災も審査 欧州委員会「ストレステスト」詳細公表 原発集中の若狭湾、400年前に津波被害 文献に記録

よくよく考えると一番恐ろしいニュースってこれかも。組織としてout of controlということ?→ 班目委員長「私は何だったのか」

なんでもアリだな。→ 原燃エンジニアリング取締役の六ヶ所村議を逮捕 出所不明の「もんじゅ被害エリア想定マップ」に引っかかるぐらいならネットやめたほうがいい

RTされてきたこれ読んで色々考えさせられる。「今まで妙に安かったのは食中毒出すような店だったからなのか・・・」ということにはならんのな。やっぱ人間ってあって当たり前のものってありがたみを感じないんだな。
まあもちろん他の店の選択肢がたっぷりあるわけでもないからしょうがないかも知れんけど、安全なユッケのためなら余分に金出すぜ!っていう意思表示は今でもできるんだけど。
高くて安全なユッケと安くて危険なユッケしかないのに、「安全なユッケが高いなんて陰謀だ、信じない」と言い続けるのが大衆で、「安くて安全なユッケあります」と言い続けるのが政治、それが現実か。
安値で飲み食いした便益と食中毒のダメージは人それぞれで、それに応じた意見があるべきだけど、「俺は安値で飲み食いしてない」ことを前提にしてる人が多い気が。それくらいの強かさは必要かなやっぱり。

なんだかいろいろ不思議な話だな。→ IAEA要請終了で、放射性物質拡散予測を中止

全量買取制度という外堀を埋める→ ソフトバンク、全国19自治体と「自然エネルギー協議会」 資料→ http://bit.ly/jmY6KV

「・委員長や委員は『内閣総理大臣が指名』、・事務局は『関係行政機関の協力を得て、内閣官房』が務める」 本当にこれで中立にやれるのか?→ 原発・東電 2つの調査委員会の独立性?

国が安全基準が間違っていると認めたということは、国にも責任があるわけだから、国民は自分の財布の問題として賠償のことを考えなければいけない、ということ。→ 国は東電をスケープゴートにして逃げるのか

定期点検来るたびに政治的に止めてくとなると・・・これは壮大な経済実験のスタートか?→ 関西もギリギリの夏 予備電力ゼロ状態…原発4基が検査中

グラフ多くてわかりやすい。京都議定書は諦めるのが政府の既定路線?→ 6つの視点で語るポスト3.11のエネルギー政策
まあ温暖化は僕も半信半疑だけどそれ抜きにしても石炭石油は相当ヤバい。放射能並の潔癖さで追及したらどうなるか考えると戦慄モノ。

どこまで広がるんだろう。→ 福島の土壌汚染、一部チェルノブイリ並み 原子力委で報告

だいぶ前に大前研一の動画で見たのと同じようなことになったわけか。→ 止められなかった「想定内」の炉心溶融

小学生くらいの時は近々人類は米ソの核戦争で滅亡するんだってけっこう本気で思ってたな。それがもっとリアルだった時代の話。→ 原発導入のシナリオ〜冷戦下の対日原子力戦略〜
しかしこのブログNHKスペシャルの文字起こしとか色々面白いコンテンツあるけど著作権とか大丈夫なのかな?→ ざまあみやがれい!

今日やたらこのリンク流れてくるけど確かこの人は温暖化信じない派だからこのロジックで話は一貫できるよね。高速増殖炉が破綻してるのはその通りだろうな。→ 小出裕章参考人の全身全霊をかけた凄まじい原発批判

これ国会じゃなくて政府内に置くってことか。→ 原発事故 検証委員長に畑村氏

昨日の参議院での孫さんのプレゼンざっと読んだけど今のところ結局税金で買い支える、ということか。参入のために保険を先に取り付けたいんだろうな。本当は電気代上げなきゃいけないのを言わないのとか「絶対安全」と似たものを感じるな。

「吉浜字扇洞・・・今回の震災で犠牲者、家屋被害ともほとんどなかった珍しい地域」→ 日本の未来に「東北の体験」をどう織り込むか

原発止めてもまだ平準化しなきゃいかんとか火力も意外とフレキシブルじゃないのね。→ 自動車の木・金休業「効果100万キロワット」 中部電社長

応援すべきテクノロジー→ 原発汚染水処理能力、アレバの20倍 金沢大が粉末


その他

アメリカは最下位。でも1位は北朝鮮じゃなかった。→ 北朝鮮プレゼンツ!世界幸福指数ランキング

たしかワックスの役割を果たしてるんじゃなかったっけ→ 男のアンダーヘア処理は必要か? / 推進派「メリットしかない」 http://bit.ly/ipG3jC

今朝から話題になってるけど、ついに本田がリバプールと3年契約→ Reds sign with Honda http://bit.ly/iIG5pS

デモの排除の理由にチャンピオンズリーグの試合が使われるとは・・・。→ バルセロナで続いていた大規模デモに機動隊突入:100人以上の怪我人を出す騒ぎに発展

知らなかったなきゅうりで食中毒が出てたのか。→ ドイツ国内における食中毒発生に関して

三木谷さん @hmikitani の経団連脱退ツイートの流れで出たこの質問に吹いたw

これはすごい。→ Facebook創設者マーク・ザッカーバーグの新たな挑戦 / 自分の手で殺した動物の肉しか食わない

こないだ日本で英語の先生やってたことのあるマンチェスター人と知り合ったけど、「シゴトメチャクチャラクダッタヨ」って言ってたな。→ 1週間で7人退職…橋下プロジェクト外国人講師

こういうのってテレビで見てるとすぐ気がつくけど、球場で見てたらしばらく何が起きたのかわからないだろうなw→ 2アウトでスタンドにボール 阪神・マートン大失態

「会社員、鈴木宇宙太(うちゅうた)容疑者(44)」→ 女子高生の胸を触った容疑で44歳男逮捕 余罪数件?

オリエンタルポピー油断できんw→ ホームセンターでケシ販売 19都県、回収呼び掛け

消費電力より三店方式だよね問題は。それか賭博合法化するか。→ パチンコ業界誌が激烈石原知事批判 「狂った果実」「お前は金正日か」

一つ目と二つ目面白い。→ Famous Paintings: Before and After

時代は変わる→ ニコニコ動画がライブホール 六本木ヴェルファーレ跡地

これは絶対職場で見ちゃダメ!!→ http://bit.ly/iJgILP

その住所意味あるのか?→ イギリスの性犯罪者、公園のベンチを住所として登録する

英国仕様が受賞したの?さすがイギリス人の舌は・・・。→ アサヒ「スーパードライ」 こだわり24年、チャンピオンビールの栄誉

親の不始末は子の責任、という倫理観を普及する以外のソリューションを思い付かない。→ 現在の国債の原罪
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# by katzwo | 2011-05-30 08:29 | ウホッ