カツヲぶろぐ

2011年7月の読書

7月は9冊という結果でした。休暇とかあった割に大して読めてないなー。

『マイルス・デイビス自叙伝〈1〉』
『マイルス・デイビス自叙伝〈2〉』
Miles Davis (原著), Quincy Troup (原著), 中山 康樹 (翻訳)
2週間のフェス休暇中、せっかくだから音楽関係の本をということで、『マイルス・デイビス自叙伝〈1〉』『同〈2〉』読了。言わずと知れたジャズの帝王の自叙伝。絵に描いたような「セックス、ドラッグ、ロックンロール」な人生を赤裸々に語るマイルス。チャーリー・パーカーからプリンスに至るまで、有名なミュージシャンの名前もたくさん出て来てジャズ史の勉強にもなりますな。
まあでも音楽の歴史を何回も塗り変えた偉大な帝王スゲーというより、マイルスモテすぎスゲーっていう感想のほうが強いですが。

『コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史』
小林 章夫 (著)
 『コーヒー・ハウス 18世紀ロンドン、都市の生活史』読了。ロンドン滞在中にコーヒー飲みながら読むのにピッタリ?というわけで休暇に持参、久々に読んでみたけど、知ってる地名が出てくるのが楽しかったりする。当時の政治経済、ジャーナリズム、文化との関わりだとか、個々のエピソードでけっこう面白いものがあるんだけど、一冊の本としてはなんともまとまりの無い印象も。もっと流れるように読んでいけるような構成だったらいいのになと。

『ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』 ★★★★★
Chris Anderson (原著), 篠森 ゆりこ (翻訳)
『ロングテール(アップデート版)―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略』もはや古典という感じで今頃になってですが読了。しかしいまだに新鮮に読むことができるのはさすが。「ロングテール」というのは本書の著者クリス・アンダーソンが提唱した概念で、要するにこういう意味なんだけど、これを説明するための丹念な取材、様々な事例やデータ、それらに基づく鋭い洞察が見所。
ヒット一辺倒に頼ったビジネスから、インターネットみたいなテクノロジーの進化によって、ニッチに光があたるようになった、というのは個人的には嬉しいことなんだけど、それでうまく回るようにお金の回る仕組みが追いついてない。著者の最新作『フリー』を読んでも思ったことだけど、需要者側の変化は否応なしに起きていくのに、供給者側の変化がそのスピードについていけない、というのが現状かなと。あとは『フリー』もそうだったけど音楽の話が色々出てくるのも僕にとっては親しみやすい要因か。というわけで★★★★★。


『世界史をつくった海賊』
 ★★★★★
竹田 いさみ (著)
『世界史をつくった海賊』読了。かなり興味を引かれるタイトルで一気に読了。16世紀には弱小国だったイギリスが後に大英帝国として世界に君臨するスタート地点にいたエリザベス女王と海賊たちの物語。
先行する大国スペインやポルトガルに追いつくために、他国の商用船を襲わせることで海賊を「集金マシーン」として活用し、スペイン無敵艦隊との戦いでは海軍に組み入れて「戦争マシーン」として使う、という具合でエリザベス女王こわーって感じ。悪名高い黒人奴隷貿易も、最初はアフリカ大陸での黒人奴隷をどう手に入れればよいかわからなかったので、海上でポルトガル船を待ちうけて襲って奪って、それを南米に運んでた、要するに密輸してたとか、そんな話が色々。
あとはイギリスといえば紅茶が有名だけど、もともとはコーヒーハウスが象徴するように、コーヒーのほうが一般的だったのが、なぜ紅茶にシフトしたのか。それは海賊が手がける貿易商品として儲かる商品が香辛料→コーヒー→紅茶とシフトしていったから。などなど。イギリス近代史の負の一面というか、そもそも大英帝国の成立過程なんて負の側面みたいな話ばっかりだけど、イギリスに住んでるとますます興味深く読めてくる。というわけで★★★★★。

『最強国の条件』 ★★★★
エイミー・チュア (著), 徳川 家広 (翻訳)
『最強国の条件』読了。ローマ帝国やイギリス、アメリカなど、世界市場に存在した「最強国」を「寛容さ」という観点から検証している本でなかなか面白かった。「最強国」として取り上げられているのは、アケメネス朝ペルシャ、ローマ帝国、中国の唐王朝、モンゴル帝国、海洋覇権を握ったオランダ、大英帝国、そしてアメリカ。
この本に取り上げている中だとローマ帝国や大英帝国についてはある程度知識があって勿論面白く読めたけど、一番興味深かったのはオランダについて。小国がいかに海の覇権を握り、世界のトップになったか、のお話は実に面白い。
日本は非寛容の例として登場、台湾だけ唯一の例外、という評価。なるほどねえ。あと翻訳したのは徳川家康の末裔の方らしく、へえーという感じ。最強国以外にもオスマン帝国やナチスドイツなども比較対象として取り上げられていて、世界史の流れ全般の知識も整理できたり。というわけで★★★★。

『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』
佐々木 俊尚 (著)
『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』 読了。佐々木俊尚 @sasakitoshinao 氏。キュレーションは情報の目利きと言えばわかりやすいかな。そういうのの重要性が増してるのはDJやってた実感からも納得。ソーシャルメディアマーケティングとかを考える人はまずこのあたりの情報流通の文脈は押えておくべきかという感じかな?具体的な事例が音楽や芸術に絡めてあるのでそれぞれ面白く読めました。

『ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」』 ★★★★
坂根 正弘 (著)
ロンドン→成田の飛行機の中で2時間ほどで『ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」』読了。建設機械メーカーのコマツ会長の著書。前にテレビで紹介されているのを見て面白いと思っていた、建機にGPSを組み込んで稼働状況をメーカー側で把握できるKOMTRAXの話も当然出てくる。その他には中国での代理店網を広げるときの話などが面白かった。メーカー叩き上げの実直な経営者らしく、文章も読みやすく、内容もわかりやすい。というわけで★★★★。

『戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』
ロバート・S・キャプラン (著), デビッド・P・ノートン (著), 櫻井 通晴 (翻訳), 伊藤 和憲 (翻訳), 長谷川 惠一 (翻訳)
『戦略マップ バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』読了。5年以上積ん読状態だったクソ分厚い本。イギリスから日本への長旅のお伴でようやく読了。戦略マップという経営フレームワークの実例満載、だけど、個々の要素の因果関係が綺麗に矢印で結ばれているマップはあまりなく、ちょっとがっかり。ではあったけど、顧客の視点、内部プロセスの視点、学習と成長の視点についてさらに分解したフレームワークと指標の例が色々と出て来ていたので、今後の仕事の参考としてはけっこう役に立ちそう。
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by katzwo | 2011-08-22 03:21 | リーマン読書感想文